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ハレの日の翌日、疲れとアブダクション

Different Daze, Different Day#

日々それぞれの悩みあり。

昨日はとってもハッピー・シットな一日だった。

それでも、シラフは突然訪れる。

疲れもあると、一気にシラフが訪れる。

三連休、中日の狂い#

金土日の休みがあると、狂うのは土曜か日曜だ。

今回は土曜に来た。姉夫婦との予定をキャンセルしてセルフケアの日にした。

問:音楽の中に何を見たか#

昨日の思い出を振り返ると、やはり東華菜館での会話が出る。

いちばん美味しい中華料理のトランスであれこれ話した。

月並みに魂の話#

「魂」を持つ人間には分かるだろう。神に魅入られる瞬間というものがある事を。

私はどちらかと言うと「神の改変に気付く」と表現する方がしっくり来るが…。

何かを命がけでやっていると、ある日ある時、降りてくる物がある。

それが、いつかの私のサックスだった。

燻りはどこにでもあるが、多少の衝撃を与えたとて爆発まで至るものとは限らない。

いずれは熱が冷めて燃えカスに変わる。

でもここまで燃えカスにならない燻りはなかった。

「神が仕込んだから」というアブダクションに至った。そうでないと説明がつかない。

『ロックは淑女の嗜みでして』#

やはり音楽には何かがある。何かがあると、気になって仕方がなくなる。

勧められた『ロックは淑女の嗜みでして』のアニメ第一話を観た。

お嬢様学校でインストをやる作品であるのは知らされていた。

演奏が3Dである点に目を瞑れば最高のアニメだった。音楽に魅入られた人間の作品だと一瞬で分かった。

まだ一話しか観ていない都合、これ以上の軽率な言及は控えておこう。

『ヤクザときどきピアノ』#

『ヤクザときどきピアノ』は裏世界の潜入ルポライターがピアノを習うエッセイだ。

50代にしてヤクザとのコネクションもあるオッサンが、ABBAの『Dancing Queen』を弾くためにピアノを始めるんだ。

荒唐無稽な話だ。現に著者がヤクザの組長にピアノを始めると伝えたらシャブを疑われる描写があった。

おそらく著者も「神に魅入られた」のだろう。

原曲を聞いたが、良い曲だとは思いつつも涙を流すほどではないと思った。バックボーンが違うから何も言えないが、しかし恍惚に導く余地は感じられた。

音楽には何か運命的なものと紐づけられがちだ。

音楽が好きではなく、理屈にできないものに惹かれるのだろう。

私は徹頭徹尾、理詰めで進めるべきだと思っていたし、理で詰められない事柄に何かもどかしさを覚えていた。

どこかで世界は一つあるいは複数の数式によって明示できるはずだと思い込んでいる節がある。

でもサックスが頭から離れない。単なる物欲、所有欲とも違う気がする。強いて言えば美しさへの渇望に近い。

なぜ楽器を手に音を奏でたいか。今の趣味であるカメラに合わせて「なぜカメラを手に空間を切り取りたいのか」で説明がつく。

美しい物に値札はついたとしても、美しさそのものに値札はつかないからだ。そしてカメラは、楽器は、美しさがあるからだ。

語弊があった。カメラそのものが美しいとは思わない。物体としてのデザインに惹かれる商品もあるが、そこではない。

美しい物を生み出すことができるものは、美しいはずだ。この推論からくる。

音楽も写真も、美しい。バイナリに変換しても失われない物がある。

問:悪魔に売る魂はあるか#

神に魅入られたのなら、悪魔に魂を売るべきだ。

言葉遊びにしか聞こえないが、トランス状態で中華料理を食べていた私にはとてもとても説得力のある言葉だった。

さて、ご存知の通り私は実利に乏しい人間だ。この燻りも徹底的に冷や水をかければ、いつか燃えカスに変わるだろう。

悪魔に売るものはあるだろうか。

幸いな事に、世の中を見渡してみると、大抵の物に値札が貼り付けられて、そして私にも値札は付いている。月に何万という値札と、音声編集一本につき何万という値札がある。

そして偶然にも今回の音声編集一本で事足りる額の値札がついたサックスがある。

悪魔には、ひとまず手付金としてそれを差し出してやろう。

悪魔に差し出す魂にも値札が付けられる、とても便利な時代だ。

でも悪魔というのは徹底的に悪辣で、おそらく金では買収できない。

カメラの趣味だってそうだった。悪魔は何から何まで差し押さえようとしてくる。お金だけではなく、思考リソースや時間すらも奪うのだ。

困ったら神に頼ればいい。お前が仕込んだカラクリのせいで大変なことになったと言えば、その悪魔から縁を切ることはできる。

ジャズ、始めるか。