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そこに人間らしさを見出すなら:加湿編

体調不良だけはフルタイム・ビジネスだ#

目が覚めた時、喉に違和感があった。

風邪の気配だ。経験則になぞらえるなら、このあと早退して翌日休むことになる。

オッズは東京競馬場でのルメールくらいだ。

やはり的中。朝に飲んだ葛根湯も、昼に買った風邪薬も有効ではなかった。

鼻血を出して早退した翌週に風邪ときたもんだ。

前職なら即刻信用を失っていだろう。現職でも失ってるかもな、ガハハ。

冴えわたる脳みそ、ガタつく身体#

早退の旨を告げ、帰路につく。

風邪をひいた原因は何か、そもそも風邪とは何か、風邪を1日で治すためのRTAプランをGPTに聞きながら、完璧な復活シミュレーションをした。

後は翌日に「昨日は大丈夫だった?」のクレバーな返しを考えるだけだ。

幸い発熱も喉の痛みもない。本気で横になれば全部良くなってオールオッケーだ。

現実#

呼吸ができなかった。

夢の中で私は上長に首を締められていた。その顔は笑っていたので、本気ではないと安心した。

この世界は私に不都合な現実ばかりを突きつける。

風邪が治っていないという現実、今日は働くのが厳しいという現実、仕事に穴を空けてしまうという現実、私に社会人としての責任感が無いという現実。

まあ夢の中での上長は笑っていたので大きな問題はなかろう。

喉が腫れて呼吸ができていなかったのだ。

休みの連絡を入れた。

冴えわたる脳みそ、ガタつく身体2#

昨日、あの冴えた脳でCO2センサーを注文していたらしい。職場用の2個目だ。

せっかく休めたことだし、秋葉原に行かなくてはならない。

ついでにダイソーに行って即売会用のアイテムを揃えよう。

あと今日は資源ごみの日だから段ボールを出しておこう。

秋葉原は冷えていた。いささか軽い装いで外を出たことに後悔をした。

現実2#

人生はゲームではない。人生はRTAをするものでもないし、トロコンをするものでもないし、スコアアタックをするものでもない。

かと言って奔放に過ごして良いということもない。

過ちは反省し、次に繋げるために努力をする。

何度も続くようであれば、それは仕組みが悪い。仕組みから解決すべきだ。

冴えわたる脳みそ、ガタつく身体3#

加湿器の行き着く先は皆、象印らしい。

そして風邪は乾燥からやってきて、最悪なことにそれはフルタイム・ビジネスだ。

だとしたら、加湿をしなければなるまい。

アイリスオーヤマの4倍の加湿力を誇る象印の50サイズ。これを注文した。10畳一間の1階住まいには広すぎたのかもしれない。

4月まであと2ヶ月ほどある。風邪を引くリスクは低いに越したことはない。そして毎週風邪をひいていたら、治療費も馬鹿にならない。

だとしたらこれは今の冴えた脳にとっては最善策だ。

さてさて#

人間とAIを比較してみよう。

人間は常識の外から産まれ、失敗を経て賢くなり、学びを得る。

AIは元より常識を植え付けた(文章の統計を取っている)上で人間に様々な学びを与える。

AIにこんな生活はできるだろうか。風邪をひいて、判断力が鈍ったまま外に出て阿呆な買い物をする生活なんて。

過去から学ばず、愚かな過ちを繰り返すことは、まさに人間らしい営みだ。

AIに愚行権は無い。人間にのみ認められた真っ当な権利だ。

だとしたらここ数日の挙動は私が人間のままである証だ。

AIに思考を侵されても、行動はまだ侵されていない!